OTA-C 故金田伊功氏について 忍者ブログ
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以前、『日本の正義 - 観』において、故金田伊功氏について少し触れました。

『そして、有名になったのが、原画マンとして参加していた「金田伊功」氏の存在が大きく、「金田パース」や「金田光り」といった独自の演出を、多くのアニメファンに認知させることとなりました。』と…。

ここで述べたいのは、アニメ界における唯一無二の原画マン金田伊功氏の存在です。
彼は、当時のオタクに「原画」という存在を知らしめました。彼の絵は、極端なパースやポーズの連続で、誰が観ても「金田!」と分かるもので、『銀河旋風ブライガー』『新サイボーグ009』『超電磁マシーン•ボルテスV』などのオープニングを観れば、彼独特の作画の素晴らしさが分かります。

言葉で表現するのは難しいですが、動くところは豪快に動き、カメラがグルグル回り込む感じを出し、寄ったかと思うとすぐに引いたり、観ていて気持ちのいい動きをさせます。また止まる時は、無理なポーズでも空中でも潔く止まり、立ち姿は「金田立ち」とまで言われた。つまり、天才的にタイミングというのを分かっていた人だと思う。戦闘機に至っては、猫背というか、八の字に形で、実際よりもかっこ良く飛び、ロボットが空飛ぶポーズは、腕が左右に開いて、足が極端に閉じているという形だった。有名なのは、当時角川映画が全盛の時代、初めてのアニメとして選ばれたのが「幻魔大戦」(当時原作平井和正氏の何十巻とあるストーリーをどうするのかが話題になったけれど、結局原作平井和正氏、漫画石森章太郎のアニメ化というオチだった)でしたが、その「火炎龍」は金田氏の作画。また、劇場版『銀河鉄道999』にも参加。またジブリ作品でも『風の谷のナウシカ』(当時金田氏の作画を見に行って、庵野秀明氏の巨神兵に驚いた)『天空の城ラピュタ』や『魔女の宅急便』等にも参加している。でも80年代初期が良いかもしれない。金田氏は、日本のリミッテッドアニメらしさを追求した新しい演出と文法を編み出したのです。

金田氏の作画は、演出効果を高め、物語性とキャラクターの魅力を向上してきました。
彼の描く独特の作画は当時は衝撃を持って受け入れられ、次々と当時のアニメの作画界に「金田モドキ」を生み出しました。その後「金田モドキのモドキ」が出て、80年代後半からモドキ達は独特のスタイルを捨てて普通になって行きました。

金田氏や後に「板野サーカス」で有名になった板野一郎氏を始め、日本独特の「制限された予算とスケジュール」の中で、続々と能力のあるクリエイター達が登場し、今の「オタク文化」の底力となっています。
金田氏の作画は、アニメにおいて「動き」を意識させてくれた人で、とにかく彼のアニメの「動きは楽しい」。その事に尽きると思う。

残念ですが、金田伊功氏は2009年7月に無くなりました。彼のアニメーションにおける功績は伝説となり、語り継がれて行くでしょう。金田氏のご冥福をお祈りいたします。

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元は、ある教育機関のオタクのためのクラブでしたが、廃止になったため個人のブログとして書き込んでいます。
アニメ、マンガ、フィギュア、コスプレなど、一定のビジュアル技術・メディア・コンテンツについて考察するブログです。
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